ヒトシズク

日々思うことや、自作の詩(?)、たま〜に映画の感想等々
いくの気ままなブログです

ドッペルゲンガー

「ドッペルゲンガーに会うと死ぬ」


一度は聞いた事がある話だと思う


しかし本当に死ぬ訳では無いのだ


今日は僕の友人が


ドッペルゲンガーに会った話をしよう


最初は双子の妹が出来たみたいと


嬉しそうに僕に話してきた


確かに目元の感じは似ていたが


瓜二つとまではいかなかった


しかし友人の日常も少しずつ


歪み始めていった


ある日


「いいなぁ、いいなぁ」


そう言って2人で


同じ服を買ったそうだ


「いいなぁ、いいなぁ」


そう言って同じ趣味を持ったそうだ


「いいなぁ、いいなぁ」


そう言って……


彼女の父親と交際をもち


親からの愛を奪ったそうだ


家庭は崩壊し、尊敬した父は


もう自分に愛など無いのだと知って


ある日を境に彼女は


自分が自分である事がわからなくなり


狂い


最後に偶然街ですれ違った友は


昔の溌剌とした美人の面影も無く


生きる屍のようだった